30代未経験でIT業界への転職を成功させるポイント

ビズデジ編集部

近年IT業界の人気は高まっており、求人も増えてきています。しかし、30代の未経験の場合でもIT業界への転職は可能なのか気になるところです。今回は未経験の30代がIT業界への転職を成功させるためには、どのようなスキルや準備が必要なのかをご紹介していきます。

IT業界の市場について

IT業界と言っても業種は細分化され、ゲームソフトウェアや情報提供サービス、インターネットサービスなどさまざまです。IT業界への転職を目指すのであれば市場動向は知っておく必要があります。

IT業界全体の市場

さまざまなIT技術の発達により多くのことが完結できる時代となり、私たちが生活する上でITの存在は欠かせないものになりました。IT業界の業界規模は17兆9394億円を超え、過去の推移をみると増加傾向にあり確実に伸びてきています。IDC Japanによると、2019年~2023年の年間平均成長率は1.9%で推移すると予想され、AIやビッグデータの活用から金融機関のシステム更新など需要はさらに高まってきている状態です。

人材の観点からも、働き方改革での生産性向上やデジタル技術を使った新しいサービスの立ち上げ、直近ではコロナの影響によるリモート推奨や、非対面推奨の動きによりIT業界が益々注目され、今後さらに他業種からの人材流入が想定されます。他業種から人材が流入することで多くの知識が集結し、業界規模も伸びていくことが考えられます。そのためITスキルを持った人材を求める企業が増えているのが現状です。

転職する場合の市場動向

IT業界は市場の価値が上がり規模を拡大させたことから、ニーズは沸騰しており人材が足りていない状態です。パーソナル研究所発表によると、2030年には人手が644万人不足すると推測されており、IT業界だけで見てみても31万人不足すると想定されています。

中でも将来性が高く、売り手市場のIT業界で特に不足しているのがエンジニア職です。さまざまな業界がITサービスなどを導入したことにより、どのセクションにもエンジニアを必要とすることから、需要が高まってきています。30代の中途採用の場合、未経験でもポテンシャル採用をする企業もあるため転職することは可能ですが、競争が激化するIT業界は即戦力を求めている企業が多いため、最低限のスキルは必要になってくるのが現状です。

IT業界未経験で転職するために必要なスキルについて

IT業界と言ってもSEやプログラマーなどのエンジニア職からITコンサルタントや営業までさまざまな職種があります。IT業界での転職を未経験で成功させるためには、それなりのスキルを身につけたり、意識を変えることが必要です。

エンジニアの場合になるための必要スキル

エンジニア歴15年のベテランエンジニアに、必要なスキルをヒアリングしてみました。ポイントは下記4つとなります。

  • ●プログラミング言語は最低限1つは書ける状態
    ●自分でGoogleなどで調べて、正しいコードが書ける状態
    ●事業理解(ビジネスモデルと施策のフェーズを理解しておく)
    ●情報のキャッチアップ環境

エンジニアの場合はHTML・CSSに加えJavaScriptなど、特定のプログラミング言語が最低1つ書ける状態にあることは必須です。また、マニュアルを読んだりGoogleで調べたりしたときに、その内容を理解し正しいコードが書ける程度にはスキルレベルを引き上げておきましょう。専門的なスキルだけでなく、会社の事業を理解しておくことも大切です。ビジネスモデルや施策フェーズの理解を深めることで、業務を効率的にこなすことはもちろん、事業戦略に基づいたミッションにコミットすることができます。

また、エンジニアは新たな技術がどんどん進んでいく職種になるため、今ある知識にとどまることがないように情報のキャッチアップを早くすることも大切です。そのためには、エンジニア仲間を増やして情報交換をするなど、常に新しいスキルを吸収しアウトプットできる状態を作っておきましょう。

その他職種に共通するスキル

その他の職種に共通するスキルは主に下記になります。

  • ●情報のキャッチアップ(IT業界は情報が日々進化する)
    ●業界が高速に変化するため、柔軟に対応する能力が必要
    ●アウトプットを出せるか

IT業界は目まぐるしく変化をしていくため、振り回されず柔軟に対応していくことも必要です。アンテナを張り、常に新しい情報のキャッチアップをしていくことはどの職種にも必須のスキルと言ってよいでしょう。またIT以外の業界の進化にも目を向け、その事柄について自分なりの疑問を持ちながら、さまざまな視点から物事を柔軟に考えること大切です。

IT業界はさまざまな職種の人たちとチームを組んで仕事をしていくため、物事をわかりやすく順序立てて話しをしたり、客観的な考えができたりと論理的思考力が高い人材も多くの企業から重視されているスキルになります。

また、それらの得た情報や学んだことはインプットだけで終わらせず、自分のスキルを定着していくためにもアウトプットは積極的に行っていきましょう。

IT業界へ転職するためには自己分析が重要

自己分析をしておくことで自分自身を見つめ直し、深掘りしていく過程で強みを見つけたり、新たな気づきを得たりもできます。また、自己分析をしておくことで、企業とのミスマッチを防ぐことができ、軸のブレない転職活動ができたり、説得力のある自己PRが行えたりと転職成功に繋がります。将来どうなりたいか、自分には何ができ、どうしていきたいかなど、さまざまな側面から自分自身の考えを明確にしておきましょう。

前職の経験や実績を整理

30代は仕事においてさまざまな経験をしてきた人も多いはずです。前職でチャレンジしたこと、それによってどのような結果を得たかなど、具体的な成果を書き出してみるなどしてみましょう。前職での経験や実績を整理してみることで、アピールポイントが可視化され、具体的な自分の強みが見えてきます。

自分の過去の経験がIT業界での転職にどう活かされるか、またその仕事をする上でどのくらい貢献できるのかなど、自己分析をすることではっきりとわかってくるので、面接での自己PRもしやすくなるでしょう。

業界・企業について把握

業界についての理解を深めておくことは、企業の将来性を知ることもでき、自分が本当に働きたい会社なのかの見極めにもなります。企業や業界の特徴や強みを知ることで、志望する企業が固まったり、転職でのミスマッチのリスクも避けることができるでしょう。

 業界把握

業界を把握するためのポイントは下記の2つです。

  • ●業界の全体像を把握する
    ●特定の業界を深く調べる

まずは業界の繋がりや動向をおおまかに把握します。全体の構造を知ることで、自分の興味がある業界がどのような状況に置かれているか理解することができ、さまざまな業界を把握することで志望企業の選択肢も広がります。

次に、興味のある業界の市場規模や動向など深く調べていきます。現状と課題、成長性などを把握し、自身のキャリアプランに照らし合わせてみることが大切です。

業界の把握には、省庁や矢野経済研究所などのリサーチ会社が発表しているレポートを読んで参考にすることで、業界やその関連会社について知ることができるのでおすすめです。

 企業把握

企業を把握するためのポイントは以下の3つです。

  • ●業界内での位置を把握する
    ●事業内容(企業の強み)を理解する
    ●動向、将来性を把握する

IT業界は大きく分類しても「ゲームソフトウェア」「情報提供サービス」「インターネットサービス」の4つに分類することができます。その企業がどこに位置しているか把握することは企業把握のベースとなります。

ビジネスモデルの理解や事業の状況などを把握をするためには、有価証券報告書などのIR資料を確認します。現状や将来性などを客観視することができるでしょう。

これらを学ぶ方法は書籍やネットで調べるなどの独学でも可能ですが、効率よく学ぶことができるスクールの活用は選択肢のひとつとしてもおすすめです。

キャリアプランを設計

転職後の将来についてキャリアプランを考えることは、自分が目指している目標を達成するためにも必要です。キャリアプランを考えることで自分に必要なスキルや、やるべきことも見えてきます。

例えばSEであれば、スペシャリストから プロダクトマネージャーにキャリアアップするなど、その道のスペシャリストとして現場の第一線でキャリアを積んでいきたいのか、それとも管理職を目指していきたいのか、または独立をして起業したいという人もいるでしょう。そのビジョンに向かうためにIT業界への転職がなぜ必要なのか、3年後5年後の自分はどうなっていたいのか、30代の転職ではキャリアマネジメントをしていくことも大切になります。

30代未経験でIT業界への転職を成功させるポイント

ここまで紹介してきた身につけておきたいスキルや自己分析を踏まえ、まずはその会社で何をやりたいのか志望軸をしっかりと定めることが大切になります。

希望する企業がどの分野でどのように勝負をしているのか知るためにも、ビジネスモデルや事業フェーズの理解をしておきましょう。業界の市場規模や今後の動向、企業を把握しておくことは志望動機にも繋がります。

業界や企業を調べていると情報量も多く、自分の思考がまとまらず行き詰ってしまう場合も考えられます。そんなときは転職エージェントに相談することも転職を成功に導くひとつの鍵と言えるでしょう。

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